日程:2014年7月末
山域:北アルプス笠ヶ岳
行程:新穂高温泉~笠新道往復
形態:単独テント泊
***笠ヶ岳***
標高2897m。岐阜県高山市。その初登は1674年、円空上人と伝えられる。明治になってからの初登は1894年、明治27年8月1日かの有名な宣教師、ウェストンであった。当時の村人は、笠ヶ岳には魔力を持った山の精がいると信じ、よその人に山を案内すると嵐が村を襲うと考えていた。彼は3年目にしてようやく登頂できたという。
北アルプス南部の山は何度行ったか覚えていない。けれど拠点となる新穂高温泉の登山口までバスが走っているため、下山後、温泉から半袖短パンにサンダル、鼻歌で片手にビールをやるには少し整備され過ぎた街になっている気がする。なにより、他の縦走路から外れており、これまで行く機会がなかった。
笠新道は入口から急な上、水場もない。どうせなら最高のコンディションで入りたかった。いや、万全ではなかったかもしれない。がむしゃらに急登を登りたかった。
【1日目】
新穂高温泉14:43‐‐‐ワサビ平小屋15:53(幕)
【2日目】
ワサビ平小屋4:30‐‐‐(R3)‐‐‐杓子平9:10、9:15‐‐‐笠ヶ岳山荘11:30(幕)↔笠ヶ岳
テントで笠新道を往復する人は少ないようだ。更に嬉しいことに天気が良くはない。これで快晴だったら完全にバテてしまう笠新道の登りっぷり。だけどそこはまさに夏。杓子平手前で雷雨。過ぎ去ってから稜線へ。笠ヶ岳は向かいの稜線に見えた。
テン場と小屋がこれまた遠い。受付もトイレも水場も全部テン場から結構登る。雪渓も通過した。おまけに酷い強風でテントも立てられず、石の壁を増築。やっとのことで自立したテントにザックを放り込む、この重みでもう心配はない。「ガチャン」ザックの中で瓶が割れた音だった。長野の地酒、一滴だけ飲めたけれど処理に1時間近くかかった。
既に魂が抜けきった感はあるが、夕飯まで山頂へ。夏らしい景色に何もかも忘れた。テントからの景色も最高。
【3日目】
笠ヶ岳山荘5:10‐‐‐(R1)‐‐‐杓子平7:30、7:40‐‐‐(R2)‐‐‐笠新道入口10:40‐‐‐新穂高温泉
朝は雲が切れ、御来光となった。
だが午前中の早い時間には穂高方面は夏の雲に隔てられた。とにかく下りでザックの重みをまともに受け、膝に大爆笑されながら登山口へ。実はここからもゆっくりしてはいられない。新穂高温泉(中崎山荘)でお風呂に浸かって終電までに帰らなくてはいけない。
いつまでもこの場にいたかった。
そんな、素晴らしい朝。
笠ヶ岳は素敵な山だった。
もう一つ我らハイカー、クライマーが忘れてはいけないことがある。
「地域貢献」だ。
常に地元の方々の理解、協力、支援なくしてこの遊びは成り立たない。
地ビールと地酒、旨かったなぁ~
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